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2025/04/05

くじらはうたう 愛の歌

今制作中の話と全然関係ないんですが、
ジャスト1年前くらいに書いた
一人掛け合い用のカオス台本です。
言葉遊び的な物が…やりたかったんです…。
語彙のなさが明らかになっただけですが…。


*→男の子
+→女の子


「くじらはうたう 愛の歌」


* 彼女は、とても、優しい人でした。

+ 彼は、とても、優しい人でした。

* 日が傾く 教室

+ 希望は、校庭の隅で山積みになって錆ついていた

* 長い渡り廊下の端を、夕闇が舐めるように埋めていく

+ コンデンスミルクよりも甘い愛は、リノリウムに垂れ流されてべたついていた

* まるで血のような、空の色

+ 錆ついた希望は、誰も乗らないブランコに合わせて、ぎぃぎぃ鳴った

* ずっと遠くで、子どもの声がする

+ この場所は 酸素の足りない水の中に良く似ていた

* 誰もいない教室では、静寂が教壇で立ちつくしている

+ 知っていますか。

* 吐き気がするほどの平和が、僕らを寝付かせようと瞼の裏側をコロコロ撫でる

+ くじらは、とても頭がよろしいのです。

* 彼女は僕の目を見つめてそう言う

+ くじらは、愛の歌を歌うそうですよ。

* 秒針が音も立てずにくるくる回る

+ 人間には、逆立ちしても歌えませんね。

* なぜ?

+ 人は、愛という言葉を垂れ流しすぎました。

  耳に注ぎやすいからと、口から流れるままにしていたら、

  ほら、随分薄まってしまいました。

* この世のラブソングをすべて集めたら、原初の愛の濃さになるのでしょうか

+ いいえ、一度ぬるま湯になったものは、もう一度熱湯と冷水には分けられないものですよ

* そうですね

+ 彼は一つ頷いて視線を校庭へ向けた。

  そこには履き古るされた尊敬が、泥だらけでまるまっていた。

* もう会うこともないでしょう

+ そうですね。貴方は、遠い大学へ行くようですから

* 時に、クジラの愛の歌は、何処まで届くのでしょう?

+ さあ。声の届く限り、ではないのですか?

* そうですか。

+ 彼は、また頷いて、鞄を肩に掛けて廊下へ向かった。

* それでは、お元気で。また、いつの日か。

+ ええ、また、いつの日か。

* …一つ、お願いをしてよろしいですか

+ ええ、なんでしょう

* 僕の歌う愛の歌が、いつかあなたに届いたら、どうか応えてほしいのです。

+ 人の愛の歌は、そんなに遠くに届くはずがありませんよ

* いいえ、人の愛の歌はどこまででも届きます。

  僕の愛の歌は、貴方にだけ、どこまででも届きます。

+ ざれごとですね。私は、薄まった甘酒を飲む趣味はありませんよ

* 構いませんよ 忘れてくれても結構。 ただ、僕の歌が届いた時にだけ、思いだしてください。

+ そうですか。 それでは、そのお願いを聞くとしましょう。

* ええ、ありがとう。

+ 一つ、私も聞いてもよろしいですか

* なんですか

+ この学校の外には、何が広がっていると思いますか

* ……希望、ですね

+ 希望、ですか。

* そこに錆ついているのは、昔の希望です。学校の外には、まだまだ沢山の希望が、広がっていますよ

+ そうですか。

* …最後に、アナタに言いたいことがあります。

+ ええ、私もです。

* 奇遇ですね

+ いえ、体面としては、こう言っておかなければいけませんから

* そうですね

  
+* 卒業、おめでとう。安西君
                若狭さん

 

******************

 

それは、彼女にとっては 世界の終り で
彼にとっては 新しい始まり だった

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2012/02/28 つぶやき Trackback() Comment(0)

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